2020/08/30

古いパソコンにLinuxを入れて復活させる

2005年に発表されたノートパソコン IBM ThinkPad R50eを再生させようと思い、頑張ってみました。
IBM ThinkPad R50eには元々, Windows XPが入っていて、そこからWindows 7に更新して使用していました。
Windows 10はインストールできなかったため、最近は使われずに放置されていた端末です。




「まだ動くのでもったいない」「32bitだけど、どうにかならないか」「古い端末を切り捨てずに、救えないか」と考え、サポートの切れたWindows 7を削除して、Linuxをインストールする運びとなりました。

結果からいうと、なんとか形にできました。

インストールしたのはDebian 10.5 LXDE 32bitです。当初、LXQt版をインストールしたのですが、起動すると真っ暗で使えないため断念しました。nomodestを追加しても黒い画面で起動できませんでした。

インストール後に手こずったのは、無線LANカードの認識、日本語入力です。






コマンドラインからlspci -vnn | grep Networkを実行すると、
手元にある無線LANカードはBCM4306 (rev 03)だったので、firmware-b43-installerをインストールすればいいことがわかりました。参考1参考2

Debianでパッケージfirmware-b43-installerをインストールするにはいくつかのステップが必要になります。

まず、スーパーユーザになります。
su -
次にエディタnanoを使ってnon-freeのリポジトリをsources.listに追加します。
nano /ete/apt/sources.list

次のテキストを空いている場所に貼り付け、sources.listを保存します。
deb http://deb.debian.org/debian/ buster main contrib non-free
deb-src http://deb.debian.org/debian/ buster main contrib non-free

これでfirmware-b43-installerをインストールする準備が整いました。
リポジトリのリストをアップデートします。
apt-get update
下記のコマンドを入力し、パッケージfirmware-b43-installerをインストールします。
apt-get install firmware-b43-installer

これで、パソコンを再起動すれば後は勝手に無線LANカードを認識するだろうと思っていたのですが、ダメでした。
いくら試してもダメなので、やけになってGnomeのデスクトップ環境をインストールしたら、なぜか無線LANカードを認識しました。そこで、Network Managerが関わっていることに気が付きました。

そのため、Debian LXDE版で無線LANカードを認識させるにはドライバの他にnetwork-managerをインストールする必要があるみたいです。Debianで困ったらGnome系のソフトウェアを適当にインストールしてみるのも手かもしれないです。

BCM4306 (rev 03)の場合、non-freeのリポジトリを追加した後、
apt-get install network-manager firmware-b43-installerで無線LANカードが認識されるようになります。

無線LANの接続には以下のコマンドを使います。

SSIDを表示させるコマンド
nmcli device wifi
該当するSSIDに接続するコマンド
nmcli device wifi connect "SSIDの名前をここに入力" password "パスワードをここに入力"
接続のアクティベーションに失敗しました シークレットが必要でしたが入力されませんでした などのエラーが出る場合、コマンドnmcli con delete "SSIDをここに入力"を実行してからもう一度はじめからwifiの接続を行います。

nmcliでのwifiの接続が面倒な場合は、nmtuiを使ってみましょう。GUIライクなので、設定はnmtuiの方が楽にできそうです。また、dnsの設定もnmtuiでできます。
通知領域から簡単にGUIでWifiの設定をしたい場合、network-manager-gnomeをインストールしてみてください。

DebianのLXDE版をインストールしても、日本語入力ができません。
そこで、ibus-anthyを使って日本語入力を利用できるようにします。

ibus-anthyをインストールする
su -
apt-get install ibus-anthy
パソコンを再起動する

メニュー>設定>入力メソッド
または
im-configをコマンドとして実行する
OK>Yes
Ibusにチェックを入れる

メニュー>設定>iBusの設定
一般
ボタン…を押す
ボタン…を押す
無効と青く表示されている所を押す
新しいアクセラレータ…になったら
半角/全角キーを押す

入力メソッドの設定
追加
Anthyを追加する

ibus-mozcはバグで使えないようです。
ibus-anthyまたはuim-anthyで日本語入力が使えるようです。


今現在、デスクトップ環境はLXDEではなくJWMを使ってます。起動後のメモリ消費は130MBくらいです。
Youtubeは360pでなんとか見れています。
FireFox,Chromium,Vivaldiを試しましたが、Webサイトの閲覧はFireFoxが一番速い気がします。だた、Youtubeの閲覧はやはりChromiumの方が安定してるようです。


ドライブの書き込みキャッシュ を有効にしてます。(確認したら勝手に有効になっていました。)
ファイルシステムext4はnoatime data=writeback barrier=0の変更を行っています。
DNSはcloudflareを使ってます。
wifiは下り20Mbps出ています。

ほぼ、廃棄に近いノートパソコンをLinuxで復活できたので、大変嬉しいです。
32bitでも対応してるあたり、懐が深いなと感じました。
デジタルデバイドの解消やリサイクルによる温室効果ガスの削減に貢献できるのではないでしょうか。

かかった費用: ほぼ0円
使用機材、環境: USBフラッシュメモリ 1つ、インターネット環境、電源コンセント

追記:
nm-appletの追加方法
sudo apt-get install network-manager-gnome
通知領域にアプレットが表示されます。

wicdを削除する方法
network-managerをインストールした場合、wicdはもう必要ありません。
サービスwicdの停止
sudo service wicd stop
サービスwicdの無効化
systemctl disable wicd
実際にパッケージwicdを削除する
sudo apt-get purge wicd

シャットダウンのときに時間がかかるバグの直し方
mousepad /etc/network/interfaces
enp2s8またはeth0のところをコメントアウトする
有線LANでバグがあるみたいです。

マウスのスクロールを逆にする
LXDEで機能します。
mousepad /usr/share/X11/xorg.conf.d/40-libinput.conf
MatchIsPointerを探す
Option "ButtonMapping" "1 2 3 5 4 6 7 8"をMatchIsPointerがあるセクションに追加する

日本語入力はfcitxの方が、パフォーマンスが高い
sudo apt-get install fcitx-mozc
なぜか、英語のgやhのキーが押せなくなったので、キーボード-英語(US)も追加しています。

DVDの再生
 ubuntu-restricted-extrasの代わりに
libavcodec-extra, ttf-mscorefonts-installer,  unrar  をそれぞれインストールする
また、次のパッケージをインストールする
sudo apt install libdvd-pkg 

vlcまたはmpvをインストールする
totemではエラーが起こってdvdを視聴できませんでした。
vlc, mpvではdvdを再生できました。
mpvでdvdを再生するには 端末からmpv dvd://を実行します。または、フォルダ VIDEO_TSをmpvにドラック&ドロップしても再生が始まります。参考
dvdに収録されている二番目の動画を再生させる場合はmpv dvd://2など数字を変えて再生してみるとうまくいきます。手持ちのdvdではmpv dvd://0で最初の動画で、mpv dvd://1でメニューでした。mpvの場合、メニューはうまくいかない場合が多いらしいです。

ディスプレイ マネージャ
lxdmに変更
ユーザ名をいちいち入力するのが面倒なため、lxdmにしました。
パスワードだけ入力すればログインできます。

環境:
IBM ThinkPad R50e
CPU: celeron M
Memory: 1.22GB
Strage: 30GB (HDD)

2020/08/08

Ubuntu 20.04.1 LTSをインストールしてみた感想

2020年8月6日、Ubuntu 20.04.1 LTSが発表されたので、新しくはじめからオリジナルのUbuntuをインストールしてみました。
既にUbuntu 20.04 LTSをインストールしている場合、アップデートすることでUbuntu 20.04.1 LTSにすることができます。

パフォーマンスの調整が行われているため、体感速度が上がっています。
今の所、エラーなどが出ていないので安定しています。
最小インストールで消費されるストレージの容量は7GBほどでした。

普段のアップデートで20.04.1になりますが、クリーンインストールしたほうが恩恵を受けるかもしれません。

Ubuntu 20.04.1 LTS Downloads







Ubuntu 20.04.1 LTS オリジナルから日本語環境を作る方法は以下の通りです。

端末を起動させて、以下のコマンドを実行していきます。

wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -

        wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -

        sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/focal.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list

    sudo apt update

    sudo apt upgrade

    sudo apt install ubuntu-defaults-ja

参考